4施設経験した私の個人的偏見に基づく良い保育園の見分け方

 保育園って何を基準に選びますか? 私自身の子どもの頃と比べると、最近の保育園はどこもちゃんとしているように見えます。でも、親が安心して預けられ、子どもも楽しく通えるかどうかは通ってみなければわからないものです。

 

 長男は、以前は若い保育士さんが多い新設の認可保育園に通っていました。長男は入園して数ヶ月たつ頃からなぜか給食の時間に白米しか食べなくなり、おやつをおかわりしてお腹を満たすように。もともとあまりよく食べる子ではありませんが、家では白米しか食べないなんてことはありません。第二子出産後に入れるところに入れてしまったモヤモヤもあり、仕事中もずっと気がかりでした。お昼寝が出来ない日や、落ち着かず室内で走り回っていたと報告を受ける日も度々ありました。人一倍やんちゃではありますが、自宅では変に落ち着かなかったり、指示が通らないこともないため不思議だったんです。心配なので念のため発達相談に連れて行ったところ、「ケアが必要なお子さんだとは思えない」とのこと。そうなんだよなー、家では普通だもの。じゃあ保育園ではどうして食事もしなくなっちゃったの?

 その後幸運にも希望する園に転園することができました。そして驚いたことに転園初日から給食もおやつも自分で完食したのです。その後も毎日完食。お昼寝の時間にはきちんと眠り、保育士さんの話では「確かにやんちゃだけど年相応だし、落ち着いてるよ。」とのこと。私も今では仕事中は完全に長男のことを忘れているくらい、安心して預けることができるようになりました。もともと年少からは幼稚園に切り替えるつもりだったのですが、次の園が息子に合うという保証もないのでこのまま通わせてもらおうと思っています。

 ここで強調しておきたいのは、転園前の保育園は息子には合わなかったものの決して悪い保育園ではないということです。全学年の先生たちが園児の名前をちゃんと覚えていてくださりましたし、息子の同級生のある女の子は毎朝「○○先生が待ってる!」と言って、保育園に行くのをとても楽しみにしているのだとか。そんな事言ってくれたら感動しますよね〜! 後述の認可外保育園にも、下の子を一時期預けていたプリスクールにも、その園の在り方に惚れ込んで通っているご家庭がたくさんいらっしゃいました。相性なんですよね。子どもと保育園の、そして家庭と保育園の。

 だからこそ保育園は吟味して選びたいもの。とはいえ見学で分かることなんて表面的なことばかりだし、最近はコロナの影響で見学さえ満足に出来ないことが多いのだとか。良い園に出会えるかどうかは、運だのみな部分があるのではないでしょうか?

 保活激戦区在住で、認可2施設、認可外2施設を経験した私の主観に基づく良い園の特徴をメモしておきます。あくまで私の主観、というか好みではありますが、外部情報や入園前の見学時に質問できそうなことを中心にまとめてみました。

 

30代〜40代の保育士さんが主力

 20代の若い保育士さん中心の認可園にお世話になったことがありますが、皆さん明るくて熱心で、保育士さんとして信頼できる方が多かったです。ただやはり、ご自身も子育て経験のあるベテランの保育士さんは、親に対しても包容力があり、育児に関する相談がしやすいです。少しナイーブな内容でも、一般論ではなくご自身の経験をふまえたアドバイスを下さる方が多いように思います。あとやっぱり子どもの扱いがうまいような気がします。

 

地域の子育て支援活動を行なっている。

 保育園経営は経費の7〜8割を人件費が占めるビジネス。収益を上げるためには人件費を減らすしかない業態です。

 それにも関わらず売上に直結しない子育て支援活動を行なっている園、なかでも園児を募集するための見学会を兼ねたものでなく、純粋に地域の子育て世帯への支援活動(園庭開放や遊び場、催しの提供、園の行事への参加など)を定期的に行なっている園は、経営状態にも人的リソースにも余裕があると考えられます。公立の保育園では珍しくないですが、古い私立の保育園でもこうした取り組みをされているところがありますよ。あまりPRに力を入れていない場合が多く、ホームページの端っこに記載されていたりします。

 

 

園長先生の影が薄い。 

  • 園長先生のリーダーシップが強すぎて、保育士さん達が萎縮している?

 地元に私と子ども達だけで長期間帰省した際に、親子通園(子どもの世話は親がするんだけど、大変なときは手伝ってもらうことができる。給食も用意してもらえる。)が可能な認可外保育園を見つけて母子3人でしばらくお世話になることに。うちの地元は田舎すぎて、当時3才と0才の2人を私1人で安全に遊ばせられる場所がなく、家にこもりがちになっていたのでとても助かりました。

 その認可外保育園は、子どもを自然な環境で伸び伸びと育てるという園長先生の方針で、子ども達は里山を裸足で駆けまわり、夏は渓流に飛び込んで遊びます。快、不快の感覚を正しく身につけさせるため、どの年齢でもエプロンを使わずに食事をします。0才児も紙おむつを使いません。汚れる度に着替えさせる手間のかかる保育をされています。各家庭への連絡ノートもB5のノートにびっしりコメントが書かれていました。

 認可園よりお金がかかるにも関わらず、この園の方針に共感して通われているご家庭も多いのだとか。小さな子ども2人を相手に毎日圧力鍋の中にいるような息苦しさを感じていた私にとっても、ここは天国だろうかと思えるような場所でした。

 一方で気になったのは、人材不足。園長先生の他には保育士資格をもつ方が1〜2名で、その他は卒園児のお母さんを保育者として雇用されていました。聞けば保育士さんを雇っても中々定着しないのだとか。それとなくみていると、園内で起こることや各家庭との対応のほとんどについて、園長先生が采配を握ってらっしゃる様子でした。いい意味で尖った運営方針と、トップダウンの雰囲気に馴染めない保育士さんも多いのかもしれません。

 私の感覚ではもうちょっと関わってあげた方が良いのでは、と感じる場面があったり、食事の前の手洗いがきちんとされていなかったりしたのは、人手不足の影響があるのかもしれません。

 

  • 園長先生が出ずっぱりの場合

 認可か認可外かを問わず、子どもの人数に対する保育士の数は法律で決まっており、違反すると重いペナルティーが科せられます。これを配置基準といいます。(国や地方自治体、施設によって異なる場合があります。)

 0歳児→3人につき1人

 1-2歳児→6人につき1人

 3歳児→20人につき1人

 4-5歳児→30人につき1人

 

 配置基準は安全な保育を行うため最低限必要な保育士の人数を規定しているのであって、現場の感覚では配置基準×1.5倍の人的リソースが必要なのだそう。普通の母親でもその感覚はわかります。6人の1・2歳児を1人で世話できる人なんているの??

 そのため、園長先生が現場にいる時間が妙に長い園は慢性的に人手不足である可能性がありそうです。(単に園長先生が現場好きなだけかもしれませんが。)

 見学の際は非常勤も含めて各学年で何人に対し何人の保育士さんがいらっしゃるのか、確認してみるといいと思います。

 

非常勤の保育士さんを数多く確保している。

 玄関や廊下に保育士さんたちの顔写真とお名前が掲示されている保育園は珍しくありません。長男が保育園を転園したとき、新しく通う園の廊下に規模に見合わないくらいたくさんの保育士さんの顔写真が掲示されていることに驚きました。よく見てみると非常勤の方が多くいらっしゃるようです。非正規雇用の多さはメリットだけでなくデメリットもあるとは思いますが、保育士不足の昨今、時短勤務等の多様な働き方を導入することで正規の保育士さん達の負担が軽減されれば、その余裕は子ども達に還元されるでしょう。

 

連絡ノートのメモ欄のスペースが十分にある。

 保育園との連絡ノートは、家では見られない子どもの姿を共有してもらえるので、育児の参考になりますし、毎日の楽しみのひとつでもあります。でも連絡ノートのメモ欄の大きさって、保育園によって全然違うんですよね。前述のようにB5ノートに毎日びっしり書く園もあれば、縦3cm×横6cmくらいのスペースに毎日同じようなことしか書かれていない園もあります。子供たちがお昼寝している間に保育士さんが書いてくれるものなので、あまり大きくない方が保育士さん達は楽なのかもしれません。でもスペースが小さすぎるとこちらも何を書いていいか困るんですよね。結局家庭側も毎日同じようなことを書いてしまいます。

 それなら何㎠のスペースがあれば満足なのか? それは人によるでしょう。今の保育園は縦10cm×横6cmくらいですが、私はこれで満足しています。連絡ノートの見本を事前に見せてもらってはどうでしょうか。

 

最後に

 上記に加えて園庭があれば最高なんですけどね〜! でも個人的には園庭の有無はそこまで気にしてません。私自身が子どもの頃通っていた保育園は広くて立派な園庭がありましたが、ヒステリーもちの不安定な保育士さんが担任だったためいい思い出がないからです。

 やはり最も大事なのは設備より人じゃないでしょうか。子どもにとって良い保育園というのは、少なくとも保育士さんが働きやすい保育園じゃないかと思います。